おさな子はその時、
穴に入らないイライラにしびれを切らし、
自身のこめかみに、
幾度となく綿棒を突きつけるのであった。。
ちょーさーん!
顔がえらいことになってますよー!
えー、
まあ実際のところは、
トントンッと綿棒を当てているだけなのですが、
その表情だけは、
残念ながら絵のまんまです。
不満げな表情にもバリエーションが増え、
そのどれもが赤ちゃんらしからぬいかつさで、
ビジュアルでは食っていけないであろうことが、
いよいよ明瞭になってきたこの頃ですが、
そんなことよりもパパスさん、
もっと見るべきところがあるでしょう!
ちょーさんは、
綿棒を自分で持って、
耳をほじろうとしているのですよ!
こんな器用なことができるなんて、
一年前には想像もできなかったでしょう?
そ、そのとおりでございます!
しかも、
たまにちゃんと穴に入って、
気持ちよさそうな顔をしているのです!
パパスはほんとに、
うれしくて、
かわいくて、
食べてしまいたくて、
照れくさくて、
ちょっと気持ちわるい。
変な意味ではなく、
生まれた当初のことを思うと、
こうして横に座って、
何ならテレビに流し目でもしながら、
当たり前のように耳をほじろうとしている、
そんなちょーさんの姿に、
成長という現象の不思議さに、
いい意味でおどろき、
いい意味で何だか気持ちわるいのです。
「気持ちわるい」という言葉が、
こんな風に前向きな言葉たちと共存する感情なんて、
なかなかない体験だろうなぁ。
今回みたく、
耳をほじろうとするというような中途半端なアクションでさえ、
パパスはこんなに気持ちわるくなっているのに、
ある意味一種の大イベントのような、
「字が書ける」とか、
「自転車に乗れる」とか、
そういうことをちょーさんがクリアした時、
パパスはもしかすると、
気持ちわるすぎて泣いてしまうかもしれません。
そして、
はげでひげのおっさんが泣いている光景を目にした人は、
ほんとうに気持ちわるくなるかもねー!
(なにこのはなし!?)
(2012.04.02 UP)